こんな人におすすめ!
- 契約社員は正社員になれるの?
- 契約社員を続けるのはみじめだ…
- 早く正社員になりたいけどどうしたらいい?
結論、契約社員から正社員になるのは十分可能です。
厚生労働省の調査データによると、77%の事業所が正社員登用制度を設けており、44%が実際に登用実績を持っています。
ただし、正社員になれるかどうかは、企業の方針や業績、タイミングなどさまざまな要因に左右されます。
契約社員としてスキルアップに励み、自己の市場価値を高めることが何より重要です。
具体的な方法については、「契約社員から正社員になる方法」や「優秀な契約社員になるためのコツ」をご覧ください。
契約社員を経験して正社員になったすみが解説します!
正社員登用制度の有無を確認したり、雇用条件の交渉をするのは容易ではありません。
自力で計画するのが難しい方は「リクルートエージェント」など、転職のプロに相談することをおすすめします。
契約社員はみじめだと感じる4つの理由
契約社員がみじめだと感じる理由は以下の4つです。
「みじめ」に感じる理由を理解できれば、契約社員を続けるべきか判断する手がかりになるでしょう。
1. キャリアのことを考えたとき
自分が目指す将来のビジョンと、現在の契約社員としての立場にギャップを感じると、「自分は契約社員をしていてみじめだ」と感じてしまいます。
例えば、将来は営業部門の管理職を目指している方が、現在は営業事務の契約社員として働いているとします。
正社員なら営業として活躍し、管理職へのキャリアアップが期待できます。
しかし、契約社員では営業の仕事に携われず、キャリアアップのチャンスが限られていると感じるでしょう。
こうした状況を考えてしまうと、契約社員であることにみじめさを感じる方は少なくありません。
2. 契約更新されない予感がしたとき
契約社員は、会社によって異なりますが、一定のタイミングで契約更新しなければいけません。その度に、契約が無事更新されるか内心ヒヤヒヤしながら更新を待ちます。更新されない場合、次の仕事を探さなければならず、不安が常にある状態です。
契約更新の時期が近づき、以下のような前兆が現れると、みじめさを強く感じました。
- これまで任されていた業務が他の社員に移された
- 新しい仕事がもらえなくなった
- 面談の内容が形式的で薄かった
これらの前兆は、会社が契約更新に消極的である可能性を示唆するサインです。
自分の仕事ぶりに原因があるわけではなく、会社の業績が悪化して派遣や契約社員が切られるケースも、もちろんあります。
このように契約更新の行方が不透明な状況に置かれると、仕事のモチベーションを維持することは難しくなるでしょう。
3. 正社員以上に働いているとき
契約社員が正社員以上に働かされている状況は、みじめさを感じる要因になります。
正社員と同等以上に仕事をこなしているのに、契約社員の立場であるからこそ、給与や福利厚生など待遇面で差が生じていると、不公平感を抱いてしまいます。
また、正社員登用を目指しているのに、多忙な業務に追われてしまい、自己アピールや社内公募のチャンスを失う可能性もあります。
正社員以上の働きを求められながらも、正当に評価されない状況が続くと、仕事へのモチベーションが大きく低下してしまうでしょう。
4. ボーナス支給時期が近づいてきたとき
契約社員は「ボーナスが支給されない」あるいは「支給されても金額が正社員より少ない」ことが一般的です。
同じように働いているのに、ボーナス面で格差があると不公平感を抱いてしまうでしょう。
ボーナスは、1年間の会社への貢献に対する報酬という側面もあります。契約社員がボーナスを受け取れないことは、自分の働きが正当に評価されていないメッセージとして捉える方もいるかもしれません。
上記のように、ボーナス支給時期は契約社員にとって、自分が契約社員であるという立場の限界を強く感じざるおえない時期です。正社員登用の可能性が低いと感じている方は、特につらい時期と言えるでしょう。
関連記事:契約社員はなってはいけない!?30代契約社員はやばい・デメリットしかないは本当
契約社員はみじめなの?働く3つのメリット
ここまで読んできて、契約社員で働くことに嫌気がさしてしまう方もいるかもしれません。しかし、契約社員として働くことにもメリットがあります。
具体的には以下の内容です。
本章を読み、契約社員としての働き方があなたに適しているのか判断材料にしてください。
1. キャリアチェンジがしやすい
キャリアチェンジのしやすさは契約社員として働くメリットの1つです。
なぜなら、正社員にこだわらず仕事を探せるため選択肢の幅を広げられるからです。
特に、ITやWeb業界で経験が浅い方や未経験で異業種にチャレンジしたい方は、契約社員での採用によって入社しやすくなります。
正社員の場合、転職はキャリアの大きな岐路となりますが、契約社員の場合は契約期間満了後の選択肢の1つとしてキャリアチェンジをとらえます。
心理的ハードルは比較的低いと言えるでしょう。
ただし、正社員のように「安定して働けないリスク」はあります。
ですので、キャリアチェンジのしやすさをメリットととらえながらも、自分のキャリアビジョンを明確にもち、戦略的に行動するのが重要です。
2. さまざまな職場経験を積める
さまざまな経験を積むチャンスに恵まれていることも、契約社員として働くメリットです。
契約社員は、契約期間が限定されているため、1つの会社に長期的にコミットする必要がありません。
そのため、さまざまな業界や職種に挑戦しやすく、多様な職場環境を経験できます。
私の場合、契約社員で住宅ローン関連の仕事を経験したほか、金融事務の仕事も経験できました。
雇用期間に定めがあったため、スムーズに辞められたので退職に対する精神的負担はあまり感じませんでした。
また、異なる職場では、それぞれ求められるスキルや知識が異なります。
契約社員としてさまざまな職場を経験することは、自分のスキルを広げる良い機会になるでしょう。
3. 専門性を活かせるケースがある
契約社員は、特定の業務や期間を想定して雇用されることが多く、その分野での専門性や経験を求められるケースがあります。
例えば、IT企業でシステム開発の契約社員を募集する際、特定のプログラミング言語やフレームワークの経験者を求めることがあるケースです。
このような場合、その分野に特化したスキルを持つ契約社員は、自分の専門性を存分に発揮できる環境を得られるでしょう。
実際に東京都の調査によると、契約社員の仕事を選んだ理由として、以下の回答が上位を占めました。
- 「自分の都合(勤務日・時間等)にあわせて働けるから」:25.1%
- 「やりたい仕事だったから」:22.3%
- 「専門的な技術や資格が生かせるから」:20.9%
上記データは、契約社員として働くメリットとして、「専門性を活かせること」があることを裏付けています。
契約社員に自信を持つ思考法
契約社員が自信を持つための思考法を紹介します。
1. 周囲の情報を聞きすぎない
ネガティブな情報は聞き流すことも重要です。
周囲の情報の中には、根拠のないネガティブな噂や自分に関係のない情報も含まれている可能性があります。
これらの情報に振り回されないよう、情報をフィルタリングする力を身につけることが大切です。
情報源が信頼できるかどうかを確認する癖をつけましょう。
- 情報源は誰か? (匿名の情報源は注意が必要です)
- 情報源は事実に基づいているか? (感情的な意見や憶測は避けましょう)
- 他の情報源と照らし合わせる(情報の整合性を確認しましょう)
私は、上記のようなフィルタリング対策をして、ネガティブ情報をシャットアウトしていましたよ。
そして、周囲の情報に振り回されるのではなく、自分の成長に焦点を当てることが大切です。
契約社員としてのスキルや経験を着実に積み重ね、自分の成長を実感することが自信につながります。
2. 契約社員として働く目的意識をもつ
契約社員として働く目的意識を持つことは、自信を持つ上で重要です。
東京都の調査で、契約社員の仕事を選んだ理由として、以下の内容が上位にあがっていました。
- 「自分の都合(勤務日・時間等)にあわせて働けるから」
- 「やりたい仕事だったから」
- 「専門的な技術や資格が生かせるから」
これらは契約社員として働く際の明確な目的意識を反映しています。
自分なりの目的を持って仕事に就くことで、目的達成に向けて努力する意欲が生まれ、仕事に対する肯定感が高まります。これが自信につながるのです。
また、目的意識を持つことで、将来のキャリアビジョンも明確になります。契約社員としての仕事も、そのビジョンに向かっての一歩だと前向きにとらえられるでしょう。
このように、契約社員として働く明確な目的意識を持つことは、自信を持って働くための重要な要素と言えます。
3. 副業して金銭面・精神面の安定を保つ
副業して金銭面・精神面の安定を保つことは、契約社員に自信を持つ思考法として効果的な場合があります。
本業のスキルアップにつながる副業は、自信を持って働くことにつながります。
例えば、IT業界の契約社員が副業でWebデザインの仕事を請け負い、ITスキルを活かしてスキルの幅を広げ、市場価値を高められます。これは本業での自信にもつながるでしょう。
また、副業による金銭面の安定は、精神的な安定と自信につながります。契約社員は雇用の不安を抱えていますが、副業収入があれば経済的・精神的に余裕が生まれ、本業でも自信を持って働けます。
東京都の調査で、契約社員として働く理由に「自分の都合(勤務日・時間等)にあわせて働けるから」が最多でした。この柔軟性を活かし、本業と副業を上手に両立させれば、スキルアップと金銭面・精神面の安定につながり、自信を持って働けるでしょう。
ただし、副業を始める際は本業への影響を考慮し、会社の方針を確認し許可を得ることが大切です。本業の職務に支障をきたせば、かえって自信を失う結果になりかねません。
副業は契約社員に自信を持つ思考法として有効な選択肢の1つです。本業のスキルアップにつながり、金銭面・精神面の安定が得られる副業を、本業とのバランスを取りながら行うことが重要です。
優秀な契約社員になるために抑えるべきコツ
優秀な契約社員になることは、雇用の安定や正社員登用を直接保証するものではありませんが、自分の市場価値を高め、キャリアを積み上げる上で重要な意味を持ちます。
優秀な契約社員になるためのポイントは、以下のとおりです。
ポイント | 内容 |
指導力を身につける | ・契約社員はプレーヤー ・正社員はプレーヤーだけでなく指導しトップクラスの社員を育成することも求められる ・トップクラスのプレーヤーを育成できれば、会社の高い品質のサービスを提供できる |
問題解決力を身につける | ・会社には大なり小なり問題が必ずある ・自分の置かれた立場で解決すべき問題を特定し、解決する人材を求めている |
先導力(周りを巻き込む力)を身につける | ・みんなで協力してやり遂げることで1人よりも大きな成果を上げることができる ・そのために周りを巻き込み、引っ張る人が会社には必要 ・だからこそ、人を動かす力を持った人を会社は求めている |
これらのポイントを日々の仕事の中で実践し、自分自身の価値を高めていくことが重要です。
たとえ正社員登用されなくても、優秀な契約社員としての経験は、次のキャリアステップに活かせるでしょう。
契約社員から正社員になる方法
契約社員から正社員になるのは無理ではありません。
実際に、ユニクロやGUを運営する「ファーストリテイリング」は、準社員や長期アルバイトスタッフを対象に半年に一度のペースで正社員登用を実施。試験に合格した約100名が地域正社員として登用されています。
ですので、前向きに正社員を目指す方法も考えてみましょう。
具体的には以下、フローチャートの方法が考えられます。
①現職から正社員を目指す
まず、現在の会社で正社員を目指す場合は、正社員登用制度の有無を確認しましょう。
正社員登用制度とは、契約社員や派遣社員などの非正規雇用者を正社員として採用する制度のことです。この制度がある場合、企業が定める基準を満たすか、試験をクリアすることで、正社員として雇用される可能性があります。
もし正社員登用制度がない場合でも、諦める必要はありません。同じ会社で5年以上勤務すると、「無期転換ルール」を活用できる可能性があります。このルールは、有期労働契約が更新されて通算5年を超えた場合、労働者の申込みにより、期間の定めのない労働契約(無期労働契約)に転換できるというものです。
無期雇用への転換は、必ずしも正社員と同じ待遇を保証するものではありませんが、雇用の安定性は大幅に向上します。
そのため、正社員登用制度がない場合は、5年以上の勤務を目指し、無期雇用への転換を検討するのも1つの選択肢となります。
②転職で正社員を目指す
現在の職場を辞める気持ちが強い方は、転職を検討することになります。具体的には、以下の方法が考えられます。
- 【自力での求人探し】
- 転職サイトやハローワークなどを利用して、自分で正社員の求人を探す方法もあります。この場合、自分で情報を収集し、応募や面接に臨む必要があります。
- 【転職エージェントの利用】
- 転職エージェントに登録することで、専門家のサポートを受けながら正社員の求人を探すことができます。
エージェントは、あなたのスキルや経験に合った求人を紹介し、応募書類の作成や面接対策などもサポートしてくれるため1人での転職活動に不安な方におすすめです。
- 【紹介予定派遣の検討】
- 紹介予定派遣は、一定期間派遣社員として働いた後、正社員として直接雇用される可能性がある制度です。
この方法では、実際に働きながら職場の雰囲気や業務内容を確認でき、ミスマッチのリスクを減らすことができます。
紹介予定派遣について、詳しく知りたい方は私が「紹介予定派遣制度を使って正社員になった」記事をご覧ください。
契約社員から正社員になれる確率
厚生労働省の調査によると、77%の事業所が正社員登用制度を持ち、そのうち44%が実際に登用実績があります。特に「医療、福祉」業種では51%、「金融業、保険業」では50%、「運輸業、郵便業」では47%の登用実績が報告されています。
また、労働契約法に基づく無期転換ルールも、契約社員が正社員になるための1つの方法として利用されています。同一企業で5年以上勤務した場合、無期雇用契約への転換を申し込むことができます。
2024年からは、労働条件通知書の改正により、契約社員を含む全ての労働者に対して、労働条件の詳細な明示が求められるようになりました。さらに、キャリアアップ助成金の正社員化コースが拡充され、企業が契約社員を正社員に転換する際の助成金額が増額。
これにより、企業側の正社員化への取り組みが進む可能性があります。
もちろん、契約社員から正社員になれる確率は、一律に決まっているわけではありません。企業の制度や方針を確認しつつ、自身のスキルアップと仕事ぶりのアピールを怠らないことが、正社員になる確率を上げる唯一の手段と言えるでしょう。
契約社員をみじめに感じるかは「目的意識」次第!
契約社員という立場に焦りを感じている方は多いかもしれません。しかし、契約社員をみじめに感じるかどうかは、あなたの目的意識次第です。
もし現在の会社で正社員を目指すなら、正社員登用制度の有無を確認しましょう。制度がある場合は、その基準をクリアするために日々の業務に励むことが大切です。
仮に制度がなくても、無期転換ルールを活用して、まずは雇用の安定性を高めることを目標にするのも1つの手です。
一方、転職で正社員を目指すなら、転職エージェントに登録するのがおすすめです。専門家のサポートを受けられるので、スキルや経験に合った求人を効率的に探せるでしょう。