こんな人におすすめ!
保育士の仕事は、子どもの成長を見守る大切な仕事なのに、安いのが当たり前だというのに疑問を持ちますよね。
保育士をしている人の中には、他人のことばを受け止めて嫌な思いをした人がいるかもしれません。
結論、保育士の仕事は安いのが当たり前ではないです!
保育士の給料を改善する政策が国で行われています。
ただし、まだまだ職業全体の年収と比べ、給料が安い実態はあり、待遇に満足できない方もいるので注意が必要です。
保育士から異業種して年収UPしたすみが解説します。
【保育士の給料安いは当たり前?】当たり前と言われる6つの理由
①スキルが必要ない職業だと思われている
保育士をしていると、資格さえあれば「誰でもできる仕事」のイメージが世間では先行していると感じますよね。
なぜなら、スキルが証明できる技術がからためです。
例えば、
などです。
保育士だから目に見えて特別できるスキルがないのが、世間のイメージを「誰でもできる職業」と低くみられてしまうのです。
本当はそうじゃないのに悲しいですよね。
②保育士資格の価値が低くみられがち
保育士の資格は特別な条件は必要なく、誰でも取得できるため、資格の価値を低くみられがちです。
とはいえ、保育士の資格取得の条件は、決して簡単ではありません。
実際に保育士資格を取得するためには、下記の2通りの方法があります。
(*)大学、短期大学、専門学校または、就職などで2年以上の実務経験
決して簡単ではないですよね。
しかし「学校を卒業すれば自動的に保育士資格を取得できる」ことから低くみられています。
③学歴関係なく働ける
保育士資格は、一定の条件をクリアすると国家資格を高卒でも受験可能です。
そのため、「学歴が必要なく働ける」という印象を強めて、低賃金な職業のイメージを先行させています。
④利益を追求する職業ではない
保育士は一般企業と違い、利益を追求する企業ではありません。
なぜなら保育園の運営は、保護者からの保育料と国からの補助金で賄われているからです。
たとえば、私立の保育園だけ利益目的で保育料を高額にしては子どもを預けられない家庭が出てきてしまいますよね。
補助金の増額を請求したとしても、国民の税金で負担しているので、過剰な増額はできません。
そのため、保育士の給料は低いと言われるのです。
⑤大切な仕事なのに世間の理解がない(社会的評価が低い)
子どもを預かるという大切な職業なのに、保育士だから当たり前という世間からの印象をが強いですよね。
昔から保育という仕事を軽視してきた所縁があるためです。
とはいえ保育士がいなければ子どもを預けて仕事に出かけられません。
社会への貢献度を考えれば、保育士の給料が低いのは当たり前とは言えないはずです。
実は2022年2月から保育士の給料を3%(約9,000円)引き上げました。
また、2013年から内閣府(国)が実施している「処遇改善加算」の制度によって年々上昇傾向です。
今後も保育士の給料改善が行われていく可能性は十分ありますよ。
参考:こども家庭庁
⑥保育士は非正規雇用職員が多い
保育園では幅広い雇用形態で働いている人がいます。
そのため保育園で働く人全体でみると給料は低いと思われてしまいます。
たとえば、パートで働く保育士と正職員で働く保育士では給料に差がありますよね。
実際に 厚生労働省が発表している「賃金構造基本統計調査」には、パート保育士の全国平均時給も、1,147円とデータが出ています。
パート保育士の時給は1,000円と仮定しフルタイムで働くと、年収は204万円です。
週の労働回数が5回で、時給が1,000円で、1日あたりの労働時間が約7.85時間の場合で計算。
一方で正社員保育士の平均年収は、厚生労働省の発表する「令和4年賃金構造基本統計調査」によると、約381万円です。
一般の人からみたら、同じ保育士かもしれませんが、同じ職場で働いている人の中でも雇用形態が違うため、保育士の給料は安いと言われているのです。
【保育士の給料安いは当たり前?】保育士の給料の実態
保育士の給料は実際どれくらいなのか調査しました。
月給 | 給与の手取り | 平均年収 | 年収に対する手取り | |
〜19歳 | 181,700 | 152,132 | 2,979,880 | 2,489,448 |
20〜24 | 230,900 | 191,161 | 3,786,760 | 3,140,548 |
25〜29 | 258,900 | 215,281 | 4,245,960 | 3,529,816 |
30〜34 | 278,400 | 231,262 | 4,565,760 | 3,785,860 |
35〜39 | 300,800 | 250,025 | 4,933,120 | 4,079,486 |
40〜44 | 307,400 | 256,346 | 5,041,360 | 4,173,864 |
45〜49 | 317,000 | 262,836 | 5,198,800 | 4,282,708 |
50〜54 | 323,700 | 269,256 | 5,308,680 | 4,379,712 |
55〜59 | 339,100 | 281,311 | 5,561,240 | 4,571,444 |
60〜64 | 299,600 | 248,872 | 4,913,440 | 4,061,484 |
65〜69 | 300,100 | 249,349 | 4,921,640 | 4,069,354 |
70〜 | 320,800 | 266,483 | 5,261,120 | 4,337,402 |
参考:国家公務員の給与(令和5年版)16P|内閣官房内閣人事局
参考:手取り給料計算機
賞与は国家公務員の給与から6月、12月いずれも2.20ヶ月分で計算✴︎給与の手取り金額の計算は就業地は埼玉県、事業は一般に設定
赤字で書かれているのが手取りの金額です。24歳以下では20万を下回ることがわかりますね。
また、厚生労働省の令和4年のデータによると、保育士の平均月収は約26万6,800円です。
平均月収 | 平均年収 | |
全職種 | 34万100円 | 496万5,700円 |
保育士 | 26万6,800円 | 391万3,700円 |
介護支援専門員 | 28万4,500円 | 405万7,900円 |
その他の社会福祉専門職業従事者 | 28万7,300円 | 415万6,500円 |
全職種の平均が34万1,000円ですので、比較すると低い水準なのが理解できるでしょう。
実際「給料が低い」ことに、不満を思う保育士は多いのが実情です。
「保育士の現状と主な取り組み|厚生労働省を読むと、「職場の人間関係(33.5%)」「給料が安い(29.2%)」に次いで「仕事量が多い(27.7%)」に保育士を辞めた理由が上がっていました。
保育士の仕事は、子どもの命を預かる重要な仕事です。
それに見合った給料が支払われていないとモチベーションを保つことも難しいですよね。
【保育士の給料安いは当たり前?】保育士の給料が上がらない原因
保育士の仕事は子どもの尊い命を預かる仕事です。
なのに関わらず少ない給料で働いている理由について解説します
①公定価格があるから
保育士の給料は国が定める「公定価格」の中で決定しています。
公定価格の中には、施設の維持費なども含まれているため、職員に割り当てる割合が少ないと保育士の給料は下がってしまいます。
具体的な給料の決定方法は、
勤める保育園の経営状態が悪いと、保育士の給料も不安定になってしまいますね。
②歴史が浅いため安く設定されてきたから
保育士は平成23年(1999)年から始まった歴史の浅い職業です。
そのため軽くみられてしまい、給料にも影響を及ぼしているのです。
例えば看護師のように、130年以上の歴史がある職業であれば、給料制度も確立されます。
しかし保育士の仕事は、元々「保母」が波及した仕事でした。
「子育ての延長」としてみられてきた背景があり、それが給料としても反映しています。
③地方と都心の格差があるから
下記の表を見てください。
首都圏および人口の多い県 | 地方 | |
月給26〜30万円台 | 神奈川県 東京都 京都府 大阪府 埼玉県 千葉県 茨城県 | 青森県 石川県 |
月給23〜25万円台 | 栃木県 群馬県 山梨県 兵庫県 福岡県 愛知県 | 奈良県 岡山県 岐阜県 富山県 北海道 香川県 鹿児島県 鳥取県 山口県 福井県 宮崎県 愛媛県 熊本県 岩手県 高知県 和歌山県 佐賀県 宮城県 三重県 福島県 秋田県 |
月給20〜22万円台 | 新潟県 広島県 | 長崎県 沖縄県 大分県 鳥取県 滋賀県 長野県 山形県 |
地方と首都圏や人口の多い県とで、年収に違いが生じています。
そのため、地方で働いている人は、「給料が低い」と感じているのです。
しかし例えば、保育士の仕事を地方ではなく都心で行えたら、単純に収入はアップできるでしょう。
あなたの環境をもう一度振り返り、保育士として都心の保育園に通えるか検討してみましょう。
【保育士の給料安いは当たり前?】給料が安いのは当たり前に対する改善策
①転職する(働く自治体を変える)
働いていた職場がイヤだっただけで保育士の仕事自体は好きという方は、他の場所で保育士として働きましょう。
実際に働く場所を変えただけで、給料が大幅にアップした方も多いですよ。
保育士六年目 転職して新た保育園へ。
ここも以前とさほど変わりません。
あ、年収は50万くらいアップしました。
新卒ではありませんが新規採用で0才児1人担任です。
X(旧Twitter)
特に人間関係も上手くいっていない方は、職場を変えるだけで、給料も働きやすさも大きく変化します。
②昇格する
収入を増やすため、なるべく環境は変えたくない方は昇格しましょう。
しかし保育園の中で、そのポジションにつける人は限られています。
たとえば、保育園のリーダーを勤める役職の就くクラスは、円の規模によりますが、正職員全体の20〜30%が一般的です。
つまり座れる椅子は限られています。
仮に自分より先輩の保育士がまだ園に多く在職していたなら、昇任は狭き門となってしまうでしょう。
逆に若い保育園なら昇任のチャンスはありそうですね。
③キャリアアップ研修を受ける
キャリアアップ研修制度を取り入れている保育園が中にはあります。
キャリアアップ研修とは、「保育士処遇改善等加算II」のことです。
研修を受けるメリットは、保育士のスキルをアップさせる研修を修了することで、キャリアアップに応じた処遇改善手当を受け取れます。
具体的な手当の内容は以下です。
保育士の年収 | 事務員の年収 |
副主任保育士 | 月額最大4万円 |
専門リーダー | 月額最大4万円 |
職務分野別リーダー | 月額5,000円 |
国が実施しているキャリアアップ研修制度で、給料をアップさせるのも1つの選択肢です。
参考:厚生労働省
④異業種に転職する⬅︎最短で給料アップはこれ!
ここまで紹介してきた保育園の中でスケールアップする方法は、1つの選択肢として知っておくのはよいですが、おすすめできません。
なぜなら年収アップまで時間がかかってしまうからです。
そこでおすすめなのが、異業種転職です。
保育士と異なる職種への転職を目指すのが、最短で年収アップさせる効果的な方法です。
私自身の経験からお伝えすると、転職して保育士のときの年収から100万以上の年収アップに成功しました。
年収は働く職種によって大きな違いがあります。
保育士の年収 | 事務員の年収 |
約391万円 | 469万円 |
【保育士の給料安いは当たり前?】よくある質問
保育士の今後のニーズは?
保育士のニーズは今後も高まる可能性は高いです。
有効求人倍率をみても保育士の平均は3.12倍です。
全職種平均は1.44倍なので、その差が大きいのがわかりますね。
今後も共働き世帯は増えているため、「出産後も働きたい」、「収入面で働かないと厳しい」などの理由もあり保育所のニーズはさらに高まるでしょう。
保育士の手取りは低いですか?
保育士の平均年収は391万3,700円です。
保育士の年収 | 給与所得者の年収 |
391万円 | 443万円 |
上記データからわかるように、年間所得は一般平均より低い状況です。
さらに令和4年賃金構造基本統計調査のデータから「企業規模が10人以上の施設で働く保育士の「きまって支給する現金給与額」は26万6,800円です。
手取り収入は額面の75%程度と想定すると、20万前後が月収になるでしょう。
とはいえ、データはあくまで平均ですので、20万を下回る可能性もあります。
【保育士の給料安いは当たり前?】まとめ
保育士の給料安いのは当たり前と言われるのはなぜ?
なぜ保育士の給料はあがらないの?
給料を上げるためには?
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